加盟社リレー寄稿Q&A

「若者のクルマ離れ」という言葉をよく聞きます。月極駐車場は儲からなくなりますか?

不動産活用ネットワークは、不動産オーナーのお困りごとに対して最短最適な解決策を提供するために、企業の垣根を越えて協力し合うことを目的とした不動産業のプロ集団です。Q&Aコーナーではオーナー様からのお悩みと専門家による解決方法をご説明いたします。

今回のご相談

不動産オーナー
不動産オーナー
「若者のクルマ離れ」という言葉をよく耳にします。また、新車販売台数が減っていたり、自動運転の研究も進んでいるようですが、月極駐車場にしていても儲からないなら、いろいろ考えないといけないかなと思って。
増田知平
増田知平
まず、本当に自動車が減っているかというとそんなことはありません。一般社団法人自動車検査登録情報協会がまとめている「自動車保有台数推移」によると、平成元年の約3,000万台が令和の元年に約6,000万台と倍増しています。確かに新車販売台数は減っていますが、自動車性能が向上したことによって一台が長く乗られているのだと思います。
とはいえ、人口減少の予測から見ても今をピークに自動車は減っていくでしょう。そのような中で、月極駐車場の稼働を高めていくためには、いくつかの工夫が必要です。私たちはオンライン化や将来のために社会実験などを行っていますのでご紹介します。

オンライン契約者数50,000人突破「at PARKING」

ハッチ・ワークは、月極駐車場のほとんどが看板募集だけだった2010年から、月極駐車場検索ポータルサイト「at PARKING」の運営を開始しました。これは、実際に私自身が月極駐車場を探した際にインターネットには情報がなく、仕方なく歩き回って探しましたが、それでも見つけることができなかったという経験がきっかけです。当時、宿泊施設はオンラインで簡単に探せて、そのまま予約できていましたので、自分で歩いて探すという時代遅れの状況にとても驚きました。
「月極駐車場を探している人は、自分と同じような苦労をしているのでは?」と考え、ユーザーにとって月極駐車場探しが便利になるサービスを作ろう、と。それから約10年が経ち、今では約35,000カ所(約52万台分)を掲載し、年間問い合わせ数60,000件以上のサイトになりました。また、オンラインでそのまま申込から契約手続きができるシステムを導入した月極駐車場は、確実に稼働が上がり、収益がアップしています。
オンライン契約者もわずか2年足らずで50,000人を突破したことからも、月極駐車場にもまだまだ収益を生み出すチャンスがあると思っています。

空き待ち予約システム「アキマチ®」で募集看板も工夫を

稼働率を高めるためには、機会ロスを減らすことも重要です。月極駐車場の一般的な募集看板は、おそらく「月極駐車場」という表示と、「問い合わせ先」が記載されていることが多いと思いますが、まだまだ工夫ができます。
当社が提供する募集看板は、記載されているQRコードを読み取ればポータルサイト「at PARKING」で24時間条件が確認でき、もし満車の場合でも空きが出た際に通知を受け取る予約システム「アキマチ®」を利用することができます。管理会社へ何度も問い合わせをせずに、希望する月極駐車場の契約ができるため、ユーザーに喜ばれています。管理会社も、解約が出た月極駐車場で必ず発生していた募集の手間が省けるほか、空きの期間がなくなるため未収入期間をゼロにできます。
「アキマチ®」2021年1月末時点で4,300名以上の方が利用しています。

「アキマチ®」は潜在ニーズを把握できる

「アキマチ®」にはさらなるメリットがあります。それは、これまで可視化できなかった月極駐車場のニーズを明らかにすることができるということです。
ある月極駐車場では、驚くことに空き待ち予約が100名以上入っています。調べると、どうやら周辺に月極駐車場が少なく、ニーズが集中していることがわかりました。これを管理会社へ報告したところ、値上げを決定されました。 月極駐車場は相場がわかりにくいため、なんとなく感覚で値付けしてしまうことも多いですが、「アキマチ®」によって適正価格が明らかにできるという活用方法が喜ばれています。

月極駐車場の利活用による新しい収益機会創出

ポータルサイトで募集したり看板に工夫をしても、それでもなかなか契約にならない月極駐車場もあります。そのような月極駐車場も「別の方法で収益機会を創ることができるのでは?」と考えており、ハッチ・ワークは月極駐車場利活用の実証実験を行っています。全ては、管理会社を通じてオーナーへ収益還元するためです。
たとえば、月極駐車場が居住地周辺に多いという性質を活かして、電動シェアサイクルのポート(借りたり返したりする場所)にするという取り組み。2021年1月からご希望のあった月極駐車場に順次設置を開始し、既に10カ所に広がっています。

月極駐車場はやり方次第でまだまだ儲かります!

近年、不動産業界でもデジタル化は加速しているものの、月極駐車場の集客方法は未だ現地の看板による募集が多く、ユーザーは希望に合う月極駐車場をインターネット検索で気軽に見つけられないという実態があります(※)。
コロナ禍で非接触のニーズが高まる昨今、オンライン上で検索できてそのまま契約ができることの利便性や、空き待ち予約ができることは月極駐車場の競争力を高めます。
当社は月極駐車場一筋10年、多くのノウハウを持っていますので、もしご興味あればお付き合いのある管理会社へ「ハッチ・ワークに相談してみたら」とお声掛けください!

※ハッチ・ワークが発表した「月極駐車場探し方調査」(2020年12月調査 回答数686名)では月極駐車場を探す方の64.3%が「まずポータルサイトで探す」と回答。
また、申込から契約まで対面形式で行う手続きが一般的で、法的には必要がないにもかかわらず過去からの慣習で記名・押印が必要とされる場合が多く、煩雑で手間がかかることがユーザーの負担となっていました。

 

ABOUT ME
増田知平
増田知平
株式会社ハッチ・ワーク代表取締役社長。青山学院大学大学院国際マネジメント研究科修了、経営学修士(MBA)。神奈川県出身。業界初のクラウド月極駐車場管理システム「atPAKING月極パートナーシステム」を開発し、全国の月極駐車場のDXを推進する。