加盟社リレー寄稿Q&A

賃貸アパートやマンションの名称変更は空室対策に効果的ですか?

不動産活用ネットワークは、不動産オーナーのお困りごとに対して最短最適な解決策を提供するために、企業の垣根を越えて協力し合うことを目的とした不動産業のプロ集団です 。 Q&Aコーナーではオーナー様からのお悩みと専門家による解決方法をご説明いたします。

今回のご相談

不動産オーナー
不動産オーナー
築年数が古く経年劣化が進んでいる賃貸アパートの空室対策に悩んでいます。建物老朽化による見た目はもちろんですが、マンション名からも時代を感じさせている気がします。マンション名を変更することで空室対策がうまくいった事例などありますか?
西村友宏
西村友宏
アパートやマンションのネーミングやデザインにも常にトレンドがありますので、時代に合わせて変化していくことはアパート・マンション経営でも重要です。決定的な否決要因として表面化しないまでも、アパートやマンションの名前が古いことで損をしている可能性はあります。今回は名称変更をうまく活用するコツと、実際に満室になったアパートの事例をご紹介いたします。

名称変更は簡単にイメージを変えられる手段の一つ

アパートやマンションの名称変更は法的な手続きも意外と簡単に行うことができます。特に今お持ちの不動産のネーミングが古いなと感じる場合は、最近のトレンドに合わせて気の利いたネーミングにすれば、募集という観点では大きなイメージアップになるでしょう。たとえば「きた堀江荘」→「北堀江SQUARE」に変わるだけで随分、印象は変わると思いませんか? アパートやマンションの名称は物件情報サイトなどでも必ず目にする部分ですのでうまく活用して募集につなげることは可能です。

名称変更の落とし穴

しかし矛盾するようですが、ただ名称を変更しただけでは“入居者から見た印象”は変わりません。仮にアパートの名称を「北堀江SQUARE」に変更したとしても、実際に入居者が見た印象が「きた堀江荘」では本質的な目的は果たせないからです。名前だけがスタイリッシュでも実際の印象がスタイリッシュでないなら意味がないのです。もちろん名称の印象は大切ですが、それとともにその印象の良い名称に合ったデザインが重要だということになります。

名称に合ったデザインが必要

アパートの印象を現代トレンドに合わせるとそれに見合った建物デザインが必要となります。しかし良い印象の名前に相応しい建物デザインにしようと大きなコストが・・・と考える方が多いと思いますが、ご安心ください。空室対策を目的としているなら、良いネーミングの印象と実際にマンションを見た人が抱く印象に違和感がなければ問題ないのです。実際にマンションを見た人の印象に大きく影響を与えるのは「マンション一階部分」です。ここにフォーカスすれば良いのです。

実施箇所を絞り込めばローコストでも印象は変わる

古いアパートをイメージチェンジしようと思うと大規模なリノベーションをイメージしがちですが、目的を「印象」にフォーカスするなら、リノベーション箇所は20%の優先順位に従って実施すれば80%の成果を生み出します。印象にフォーカスした場合、アパートの印象の80%は1階部分で決まります。1階部分の中でも外観・エントランスが新しく名付けたアパート名とマッチしていればこの物件に対する違和感はなくなります。建物全体をリノベーションすることと比べれば、外観・エントランスだけのリノベーションで大きなコストカットが可能です。実施箇所はとことん絞り込み、そのかわり実施箇所のデザインや素材はこだわることがポイントです。

入居率0%が11カ月で満室に

この記事でご紹介している写真のアパートは全空室の状態からテコ入れ箇所に絞り込み見事に満室になった事例です。室内のテコ入れは行わずにアパートの名称変更と、それにマッチした見た目に影響を与えるところだけに絞り込みを行いました。空室対策では「1.内見に行きたい!と思わせられるか?」「2.内見時にここに住みたい!と思わせられるか?」の2点が重要です。アパートやマンションの名称と外観はどちらのタイミングでも入居者に大きな影響を与えます。トレンドに合った名称とその名称に相応しい見た目(外観・エントランス)は空室対策に効果的です。是非ご自身のアパートやマンションをこの観点から検証してみてください。

 

 

ABOUT ME
西村友宏
西村友宏
株式会社サインズスクエア代表取締役。職人である父親の背を見て育った経験から、専門職の人達が安心して活躍できる社会を創りたいと考え銀行員から脱サラして同社設立。「デザインで全ての価値を活躍の舞台へ」をスローガンにデザインと看板職人技術を融合した独自ノウハウによる店舗集客やマンション空室対策で高い実績をあげている。