加盟社リレー寄稿Q&A

月極駐車場のデッドスペースがもったいない

不動産活用ネットワークは、不動産オーナーのお困りごとに対して最短最適な解決策を提供するために、企業の垣根を越えて協力し合うことを目的とした不動産業のプロ集団です 。 Q&Aコーナーではオーナー様からのお悩みと専門家による解決方法をご説明いたします。

今回のご相談

不動産オーナー
不動産オーナー
平置きの月極駐車場を運営していますが、最大限区画を取れるようにレイアウトしたものの、どうしてもデッドスペースができてしまいました。自販機の設置は既にしているので、ほかに何かいいアイデアはありませんか?
増田知平
増田知平
これまで月極駐車場のデッドスペースといえば、バイクの月極駐車場や自動販売機の設置、コインロッカーの設置や証明写真機の設置といった選択肢がありました。
しかし、バイクの月極駐車場は集客の難易度が高く、自動販売機は視認性の高い場所に限定されます。また、コインロッカー、証明写真機は需要がある立地が必須条件になります。
今、新しい選択肢として注目されているのが「最新モビリティの貸し借りポート」です。たとえば、LUUPというサービスをご存じでしょうか?電動マイクロモビリティのシェアリングサービスを運営している企業で、2021年4月に電動キックボードのシェアを開始しました。

月極駐車場が電動キックボードの貸し借りポートに

当社はLUUPの運営企業と業務提携しており、月極駐車場のデッドスペースや空き区画を貸し借りポートにする支援をしています。私たちの持つ月極駐車場データベースを使い、管理会社を通じてオーナーの承諾をいただいた月極駐車場を利活用しています。
この取り組みは日本経済新聞の本紙でも取り上げていただきました。
もともとLUUPは電動小型自転車が中心でしたが、特別な認可を受けたことで、指定区域内において電動キックボードに乗車する際のヘルメット着用が任意になりました。もともと創業当時から電動キックボードの開発を進めており、シェアリングサービスの実現に向けて研究をされていましたが、どうしてもヘルメット着用がネックになっていたようです。しかし、この特別な認可を受けたことを機に、一気に普及を進めています。

電動キックボード、乗ってみるととても気持ちいいですよ!

私も早速使ってみました。利用開始まではアプリですぐに登録でき、機体の操作もとても簡単。
手元のレバーを押すとスーッと進んでいきます。風が気持ちよくとても爽快です。そして、移動先で乗り捨てできる手軽さはやみつきになりそうです。
これまでは、一般的に「月極駐車場にクルマ以外を停めるのはNG」という風潮があったように思います。確かに、「駐車しているクルマにぶつけたらどうする?」というご心配もあるでしょう。しかし、移動のカタチは確実に変わってきています。
特に月極駐車場は居住地周辺に多いという性質から、人々の生活におけるスペースとして、さまざまな可能性を秘めていると私たちは考えています。

月極駐車場の新しい収益機会をつくります

いかがでしょうか?
現在電動キックボード以外にも、さまざまな最新モビリティが開発されています。自動運転や空飛ぶクルマの研究も進んでおり、実用化が視野に入っています。いずれにせよ、【安全に乗り降りできる十分なスペースの確保ができ、かつ人々の生活において身近な場所】が必要になってくるでしょう。
私たちは月極駐車場がその役割を担う可能性があると考えており、さまざまな研究を重ねています。近い将来、自動車の保有台数が減ってきたとき、月極駐車場の新しい収益機会をつくることは、必ず必要になると思っています。

 

 

ABOUT ME
増田知平
増田知平
株式会社ハッチ・ワーク代表取締役社長。青山学院大学大学院国際マネジメント研究科修了、経営学修士(MBA)。神奈川県出身。業界初のクラウド月極駐車場管理システム「atPAKING月極パートナーシステム」を開発し、全国の月極駐車場のDXを推進する。