加盟社リレー寄稿Q&A

ATM跡地の活用に困っています

不動産活用ネットワークは、不動産オーナーのお困りごとに対して最短最適な解決策を提供するために、企業の垣根を越えて協力し合うことを目的とした不動産業のプロ集団です。 Q&Aコーナーではオーナー様からのお悩みと専門家による解決方法をご説明いたします。

今回のご相談

不動産オーナー
不動産オーナー
長年利用いただいていた銀行がATMを撤去されるとのことで、1階のATM跡スペースが空いてしまいました。立地は良いのですが、超狭小物件のためなかなか次のテナントが見つかりません。
西浦明子
西浦明子
ATMの跡地は、確かに狭小スペースのため募集できるテナントの業種はかなり制限されてしまいます。一方で、その立地の良さに目を付けた新たなビジネスや飲食業が急増しています。都会に出現しつつある新たな「スキマ」には大きな可能性が秘められています。

なぜATMが減っているのか?

通帳の有料化や店舗減少の影響もあり、ネットバンキングへのシフトが急速に進んでいます。銀行業務の効率化に伴い、街中にあったATMが徐々に姿を消しており、1999年の設置台数は全国約11万8600台をピークに、21年経った2020年時点では約9万7800万台と17%も減少しています*。今後、コロナによる外出自粛やキャッシュレス決済などを含む社会のデジタルシフトを受け、この勢いは加速していくものと思われます。(*出典:全国銀行協会)

ATM跡地の特徴とは?

ATMが設置される場所の特徴としては、「駅前」「商業施設」などアクセスしやすく視認性の高い立地であることが挙げられます。加えて、その狭さも特徴的です。機械を設置するためだけのスペースですので、水道・トイレなどの設備はなく狭いところだと2~3坪から10坪程度のところがほとんどです。

ATM跡地は立地の良さから飲食店が入居するケースも増えてきていますが、やはり広さの問題から制約も多く、なかなかすべてのATM跡地に活路があるというわけではありません。こうした中、スペースシェアでATM跡地を活用する事例が出てきておりますのでご紹介いたします。

活用事例その1

1つ目の事例は横浜市旭区内にあるATM跡地です。相鉄線二俣川駅からすぐの好立地にあるスペースで、以前はメガバンクのATMブースが設置されていました。現在は、キッチンカーなどの出店場所として活用いただいております。オーナー様からは下記のようなコメントをいただいております:

「当初は駐車場などでの運用も考えたのですが、変形地であることに加えて前面道路の交通量が多く入出庫が難しいことから諦めました。他に運用方法がないか探している中、軒先ビジネスを知り登録してみました。固定資産税分くらい稼げたらという気持ちで始めたところ、想定以上に稼働し驚いています」

活用事例その2

2つ目の事例は、都内港区外苑西通りと国道246号(青山通り)の交差点にある一等地のビル1階スペースです。こちらもメガバンクのATM店舗として約30年にわたり使用されていたスペースです。好立地のため、次のテナントを募集しつつ、空いている期間限定で短期催事のポップアップスペースとして活用いただいております。

ATM跡地の活用にお困りの方へ

今後、銀行ATM機械の撤退は進む一方です。ATMが撤退された跡地の運用にご苦労されている不動産オーナー様、不動産管理会社様は、ぜひ一度スペースシェアでの活用をご検討ください。

 

 

ABOUT ME
西浦明子
西浦明子
軒先株式会社 代表取締役 スキマハンター。 大学卒業後、ソニー株式会社等での勤務経験を経て、2007年の妊娠・出産を機に起業を決意。2008年4月に日本初のスペースシェアリングサービス「軒先」代表としてサービスを開始、2009年に軒先株式会社を設立。ポップアップ向けスペースシェアの“軒先ビジネス”、駐車場シェアの“軒先パーキング”、飲食店シェアの”軒先シェアレストラン-magari”を運営。2017年総務省ICT地域活性化大賞・奨励賞受賞。現在、全国の遊休スペースの活用提案に奔走中。