不動産活用ネットワークは、不動産オーナーのお困りごとに対して最短最適な解決策を提供するために、企業の垣根を越えて協力し合うことを目的とした不動産業のプロ集団です。Q&Aコーナーではオーナー様からのお悩みと専門家による解決方法をご説明いたします。
今回のご相談
利用者は増えた?減った?
軒先ビジネスの主な利用用途は、キッチンカー等での飲食販売と各種物販催事です。この2つの分野で、2021年1月時点の動向を調べてみました。すると、出店件数では飲食販売が前年比で1.4倍、物販催事では2.0倍の伸びを示していることがわかりました。物販に関しては、この1年間で特にコロナ対策グッズなどを販売される業者が急増しています。これまで別業態だった企業が、新規事業として始めたり、まったくの業態変更で心機一転取り組まれている方が増えています。飲食販売については、これまで店舗型のレストランを経営されていた方が、キッチンカーを新たに始められたり、密にならないかつ固定賃料が発生しない販売方法を模索して新規にスタートされる方が出てきています。
都心の短期出店にはどんな変化があった?
コロナ禍における企業のリモートワークにより出社回数が減ったオフィス街では、昼間人口減=ランチニーズ減となり、キッチンカーの出店件数が減ったエリアもありました。一方で同じオフィス街でもリモートワークが難しいサービス等を提供している企業や事業者が多いエリアでは利用件数が減少したスペースは多く見られませんでした。
コロナが落ち着けば、再びオフィス街に一定数、人が戻ってくることが想定されますが、今回のコロナでテレワークがスタンダードとなり、都心にオフィスを構える必要性を感じない企業が増えると、東京都心の昼間人口は減少傾向が続くのかもしれません。
では、住宅街でのトレンドは?
オフィス街でランチ販売の売上を落とした飲食業者や既存店舗での集客ができなくなった出店者が、エリアやチャネルなどを変えて新たな販売場所を探して辿り着いたのが人々の生活圏内にあるスペースです。リモートワークが増えた人々や遠出を避けた人たちは、自宅から徒歩または車で数分程度の居住生活圏内での買い物などが増えたのではないでしょうか。そのような生活圏内のスペースの利用が都心から同心円状に増加しました。これまではあまり利用頻度も高くなかったスペースでも高稼働するスペースが見られるようになりました。
具体的にはどんな場所での出店が増えた?
軒先ビジネスに登録されているスペースの中で、顕著に利用が伸びているスペースの1つをご紹介します。東急東横線の元住吉駅から徒歩5分ほどの商店街にあるマンションの共有スペースです。車一台分くらいの屋外スペースで、近くに特段大きな商業施設があるわけではなく、賑わいのあるいわゆる身近な商店街エリアにあります。こちらのスペース、2020年1月時点は1月の利用件数が僅か7件でしたが、この1年で急激に利用が伸び、2021年に入ってからの稼働率は80~100%の高稼働を維持し、予約を取るのが難しくなっているほどです。いろいろな要因が推測されますが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で人々の生活導線が変化したことが原因ではないかと我々は考えています。
生活圏内の物件に大注目!
オーナー様にぜひお伝えしたいのは、生活圏内にあるスペースの利用ニーズが高まっているということです。一般賃貸ではあまり賃料がつかない、テナントがつきにくいといった立地でも、コロナの影響で新たな価値を持ち始めています。この機会にスペースシェアで「スキマ」を収益化してみてはいかがでしょうか。今回のレポートについては、下記のページで詳細の数字を含めた情報をお伝えしています。ぜひ一度ご覧くださいませ。