対談インタビュー

『人口減少の時代に求められる賃貸物件の修繕と美観』

不動産活用ネットワークは、不動産オーナー様が直面している課題に対して最短最適な解決策を提供するため、企業の垣根を越えて協力し合うことを目的とした不動産業のプロ集団です。 この『対談』では、毎回テーマを決めて、日々オーナー様から寄せられる「お悩み」や「お困りごと」に対し、【専門家による多角的な視点での解決策】をお伝えしていきます。

インターネット、さらにスマートフォンの登場で大きく変化してきた世の中の流れは、不動産業界、そして証券業界にも押し寄せてきています。今回は、看板業界での実績を活かしてアパート・マンションの第一印象を劇的に変えることに成功した株式会社サインズスクエアの西村友宏と、日々、管理会社の立場で不動産オーナーの課題に向きあっている株式会社ハウスメイトマネジメントの伊部尚子が、入居者募集にあたっての修繕やリフォームにまつわる課題やその具体的活用方法などについて対談しました。

前編は、【賃貸物件における第一印象がその後の全てを左右する】をテーマに、入居者募集にあたっての修繕やリフォームにまつわる課題やその具体的活用方法などについての対談をお届けしました。 まだ、前編をご覧になっていない方は ⇒ コチラ

看板のノウハウと管理会社の視点での賃貸物件リニューアル実例

伊部
後編では、最初に、西村さんと協力して、実際に手掛けた事例について、読者の方へのご紹介をかねてお話しをしていきたいと思います。

西村
管理会社という立ち位置である伊部さんと密に打合せしながら進められたのは大きかったですね

伊部
私にとっては、不動産業界の常識にとらわれない西村さんの発想に助けられました。特に「部屋プレート」は学びの連続でした(笑)

<マンションの部屋プレート「第一印象リフォーム」事例 ①>

<マンションの部屋プレート「第一印象リフォーム」事例 ②>

西村
あれは、なかなか大変でしたね(笑)

伊部

仲介という立場で賃貸物件に関わっていると、プレート部分を含めてもっとキレイにして欲しいなどと思っていましたが、いざ管理という立場になってみると、それを剥がしたあとの壁はどうなっちゃうのかなんかがが気になってきちゃう。

実は、大規模修繕で壁をキレイに塗りなおしても、あのプレート部分はそのままということがあって、オーナーのこだわりやよほど予算に余裕がない限り手をつけないのが常識というか、思い込みがありました。

西村
実は、うちのデザイナーも変えたいとは思いながらも、入居者が手書きされた表札が入っていたり、水道局やNHKのシールが貼ってあったりと、触れてはいけない聖域感があって手をだせていませんでした。

伊部
でも、調べてみたら水道局のシールはお願いすれば貰えるし、NHKのシールはもう廃止されていて、剥がしても問題ないことが分かった。

西村
そこで、プレートは剥がさずに上から被せてしまおうというアイデアが生まれました。

伊部
その発想がスゴイ、普通は上から貼ってしまうなんて考えられません!

西村
伊部さんが、水道局のことなどをちゃんと調べてくれたから、こちらも思い切ってできました。恐らくオーナーさんもそんなことはご存じないでしょうし、調べようとも思わないはずです。エレベーター内のシールの時も同じです。

伊部
確かに、なぞのシールが沢山貼ってありましたね(笑)

西村
必要なのは、エレベーター会社が発行する管理番号シールだけ(笑)

<マンションのエレベーター「第一印象リフォーム」事例>

伊部
(笑)
エレベーターは、想像以上の効果で、劇的に印象が変わりましたね。

西村
それこそ、毎日目にするところですし、建物内に入ればエレベーターがある意味でエントランスになるからかもしれません。

今後の賃貸市場と展開

伊部
これからもフドカツの仲間として、一緒に仕事をしていきたいと思っていますが、西村さんの今後について聞かせてください。

西村
人口が減っていくにあたって、新規で建てられる物件は減っていく。ですから、古いものを活かしていく必要があると感じています。

伊部
同感です。

西村
でも、実は、先程の部屋プレートもしかり、マンションなどで使う建築用パーツは新築を前提に設計されています。

伊部
確かにオシャレでシンプルなステンレス製とか!

西村
とても洗練されているんですが、古い建物には当然ながらデザイン的にマッチしない。

伊部
古くなったから交換しようにも選択肢がない。

西村
なので、そこに向けた商品開発して、その建物が年月をかけて醸しだしてきた雰囲気や味をより活かすような方向にしていきたいですね。

伊部
確かに吉祥寺や青山など、オシャレな街を歩いていると決して新しくはないけど、古さを活かしている物件って見かけます。

西村
そんなイメージです。これからはそういう時代がくると思っています。
あとは、伊部さんのおかげで定番化できたサービスも展開します。

株式会社サインズスクエア「第一印象リフォーム」

伊部
当社のスタッフも頑張っていますので、ご対応お願いいたします(笑)

西村
お任せください(笑)
ほかに、助成金を活用した第一印象リフォームのビジネス化をしています。

伊部
コロナで一時期話題になっていた事業再構築補助金などですか?

西村
法人所有が前提になりますが、女性限定マンションへのリノベーションなど事業転換を図るような場合は、助成金の対象になります。ほかにも全国的に組織されている看板施工業の組織があるんですが、そちらと協力して色々と仕掛けていければと思っています。

伊部
面白そうですね。今、不動産業界では、導入方法によっては「IT補助金」が受けられる可能性があるかもしれませんが、「入居者アプリ」「不動産オーナーアプリ」が流行っています。

まだまだ、過渡期ですが、オーナーも世代交代がおこっていて、収支報告も提案も紙でリアルに担当者と会わないとダメという方と、WEBで支払明細や定期報告を閲覧して、確定申告のときも申請資料をダウンロードするという世代が出てきています。

株式会社ハウスメイトパートナーズ「みらいアシスト」

西村
エントランスのリフォームもアプリから依頼がくる時代がくるかもしれませんね。

伊部
ネット注文!?(笑)

西村
(笑)

伊部
本日は、ありがとうございました。

西村
こちらこそ、ありがとうございました。

《終了》

株式会社サインズスクエア 西村友宏
株式会社ハウスメイトマネジメント 伊部尚子

前編では、【賃貸物件における第一印象がその後の全てを左右する】をテーマに対談していいます。