加盟社リレー寄稿Q&A

宅配ボックス、どうやって選べばいいですか?

不動産活用ネットワークは、不動産オーナーのお困りごとに対して最短最適な解決策を提供するために、企業の垣根を越えて協力し合うことを目的とした不動産業のプロ集団です 。 Q&Aコーナーではオーナー様からのお悩みと専門家による解決方法をご説明いたします。

今回のご相談

不動産オーナー
不動産オーナー
コロナ禍の影響もあってネットショッピングをする人が増えたと聞いたので、築年数が古くなってきた賃貸アパートの空室対策のため、宅配ボックスの導入を検討しています。
インターネットで自分で調べていますが、たくさんのメーカーがあり、種類も多いので、どうやって選んだらよいのかが分かりません。
伊部尚子
伊部尚子
宅配ボックスにはたくさんの種類があるので、なかなか選びにくいですよね。
本体価格、工事費、保守管理費などかかる金額も様々ですし、導入方法にも買取の他にリースが出来るものもあります。
24時間のコールセンターがあるメーカーや、クリーニングの受け渡しなどの高機能商品もあります。
何から選んでよいか分からない場合は、まずはデジタル式とアナログ式のメリット・デメリットを比較し、実際に起こりうるトラブルなどを想定しながらどちらが良いか決めてから、各商品を選んでいくとスムーズだと思います。

宅配ボックスで起きるトラブルは?

宅配ボックスはとても便利なものですが、オーナーの立場では起こるトラブルも想定しておかなければなりません。
宅配ボックスで起きるトラブルにはいくつかありますが、一番多いのは、「宅配ボックスがいっぱいで自分の荷物を入れてもらえない」という入居者さんからのクレームです。ネットショッピングを頻繁に利用する入居者がいると、一人で複数のボックスを占領し、しかもなかなか取り出してくれないとこういう事態がおこってしまいます。
次いで多いのが、「ボックスが開けられない」というものです。暗証番号を忘れた、開けるための鍵を失くした、宅配業者の伝票が見当たらないなどの他、ボックス自体の不具合の場合もあります。
宅配ボックスを選ぶ際には、これらのトラブルに対応する方法とかかる費用を念頭に入れて選ぶと良いと思います。

デジタル式の宅配ボックスとは

デジタル式の宅配ボックスとは、本体に液晶パネルがあり、荷物の預け入れや取り出しを電子的操作で行います。お部屋ごとに個別の暗証番号や、カードキー、非接触キー等があり、賃貸借契約の際にそれを渡して、荷物の受け取りに利用してもらいます。
デジタル式の良いところは、入庫や出庫の履歴管理がパネル上で出来たり、宅配ボックスがいっぱいの時に何号室宛の荷物が入っているかなどが分かることです。
デジタル式の中でもトラブル発生時の対応には違いがあり、誰かが宅配ボックスの前まで行って液晶パネルを操作しなければならないものもあれば、メーカーのコールセンターが入出庫トラブルや緊急時のボックス解錠を全てやってくれて、オーナーや管理会社が現地に行かなくて済むものもあります。
高機能なものは本体も高いですし、導入には通常電気工事が必要になるので設置費用も高めになり、遠隔操作できるコールセンターや定期的な保守点検があると維持管理費用も高めになります。その分入居者もオーナーも管理会社も便利ですので、建物寿命がまだまだ長く、世帯数が多く、家賃が高めのマンション等に導入するのが向いていると思います。

アナログ式の宅配ボックスとは

アナログなダイヤル式のものは、宅配業者が配達時に暗証番号を設定してロックし、ボックスナンバーと暗証番号を記載した不在票をポストに入れ、入居者がそれに従って受け取るという仕組みが一般的です。
仕組みが単純なので導入費用も安く、特別な保守点検も不要、故障が発生してもダイヤルや扉の蝶番の部品交換等で済むので維持管理費用も比較的安価です。
しかし費用が安い分、入庫や出庫のトラブルがあった時には、誰かが現地に行くことを想定しておかなければなりません。非常時の開け方は管理キーを使うのが一般的ですが、通常管理キーは1本しかないので、緊急時に誰が対応するのかを考えて、必要があればスペアキーを作って置くのも重要です。
築年数や世帯数にもよりますが、費用を重視するのであれば、アナログ式でも十分な空室対策になります。

そもそも宅配ボックスを導入したほうが良いのか?

宅配ボックスは人気設備ランキングでも上位を占める設備ですので、家賃がそのままなのであれば、入居者層や家賃帯や間取りに関わらず、設置すると当然喜ばれます。しかし、かかる費用の分家賃を上げようとお考えであれば、導入することが効果的な物件と、そうでない物件とがあるでしょう。
家賃が多少上がっても設置したほうが喜ばれる物件は、オートロックがある物件です。比較的家賃が高めの物件が多く、ターゲットになる入居者層はネットショッピングを頻繁にすることが想定され、「置き配」が出来ないことが物件選びのネックになるからです。共働きのカップルやファミリー用の物件であればニーズはさらに高まりますので、エントランス付近に宅配ボックスを設置できるスペースがあれば、ぜひ検討して頂きたいと思います。
反対に、家賃の安い単身物件の場合は、便利さより家賃の安さが重視される場合があります。若い単身者は再配達の調整もスマートフォンで簡単に行いますし、コンビニ等で受け取る体力もあるので、宅配ボックス導入の優先順位は低いと言えるでしょう。

後で困らない選択を

人気設備だからと安易に導入し、その後にかかる費用やトラブル対応を想定していないケースが良くあります。一度導入したら長く使う設備ですので、ご自分の物件の状況と、賃貸経営の方針に合う宅配ボックスをしっかり選んで欲しいと思います。

 

 

ABOUT ME
伊部尚子
伊部尚子
株式会社ハウスメイトマネジメント ソリューション事業本部 課長 賃貸不動産に関わって20年余り。仲介営業、仲介店の店長、管理の現場担当者、管理支店の同社女性初の支店長を経て、現在は金融機関や業界団体等での講演の傍ら、賃貸住宅の企画や収益改善の相談を受ける。上級相続支援コンサルタント、CFP(日本FP協会会員) 、1級ファイナンシャルプランニング技能士 、公認 不動産コンサルティングマスター、DIYアドバイザー