不動産活用ネットワークは、不動産オーナーのお困りごとに対して最短最適な解決策を提供するために、企業の垣根を越えて協力し合うことを目的とした不動産業のプロ集団です 。 Q&Aコーナーではオーナー様からのお悩みと専門家による解決方法をご説明いたします。
今回のご相談
地域の避難場所や災害時の給水ポイント等を確認
災害が起きたとき、自宅で身の安全が確保される場合は在宅避難を行いますが、そうでない場合は避難所に避難することになります。災害時の避難場所は地域ごとに決まっており、自治体のホームページ等で最寄りの避難所を確認することができます。併せて国土交通省のハザードマップポータルサイト等からハザードマップを入手し、安全な避難ルートも確認しておきましょう。
災害時に水を配る災害時給水ステーションも、地域ごとに決まっています。
調べた情報を物件内の掲示板に貼ったり、チラシとして入居者に配っておくと、入居者さんの記憶に残り、いざというときに役に立つと思います。
停電時の出入りの方法や、設備を確認
現代の生活は電力に依存しています。災害時に停電した場合に問題がないかチェックをしておきましょう。
オートロックがある物件の場合、停電時には手動で開閉できるものもありますが、鍵がないと開けられないものもあります。オートロックを暗証番号で開けていたり、非接触のセンサーキーの場合も、オートロック制御盤が通電していなければ使えません。ご所有の物件が停電時にどうなるのか、どうすれば出入りできるのかを確認しておきましょう。
普段使わない裏口についても、入居者が持っている部屋の鍵で、外側から開けて入ることができるのかを確認しておくとよいでしょう。
また、室内設備で停電時に作動しなくなるものもあります。たとえば給湯器は動作するのに100V電源を使用しているためお湯が出なくなります。同じガス器具でも、ガスコンロはほとんどが乾電池式なので停電時にも使えるものが多いです。
温水洗浄便座などでレバーハンドルではなくリモコンで水を流すタイプのものは、リモコンが使えなくなるので水が流せません。メーカーのホームページなどで手動で水を流す方法が紹介されているので、物件に使われている便器の情報を調べておくとよいでしょう。
入居者にプレゼントするなら防災用品?
新規の入居者さんや更新してくれた入居者さんに、トイレットペーパーや洗剤などをプレゼントするというオーナー様もいらっしゃいますが、防災用品をプレゼントするのはいかがでしょうか?
災害用の保存水、災害用トイレ等は比較的安価で、ホームセンターやインターネット通販で手に入れることができます。災害用の非常食も、最近は美味しいものが増えています。それらを単身入居者にプレゼントすれば、親御さんにも感謝されそうです。
もし物件内に管理室や倉庫があれば、災害用品を保管しておくのも手です。ガスが止まった場合の調理にはカセットコンロとガスボンベが役に立ちます。単身用のお部屋ではかさばって備蓄しにくい保存水やトイレットペーパー、乾電池なども保管しておけば安心です。
冷蔵庫や本棚には、転倒防止金具で壁に固定することができるものがありますが、賃貸住宅では壁に穴があけられないため設置していない方がほとんどです。転倒防止金具の穴あけは可にするなどの柔軟なルール変更も入居者さんの安心につながるでしょう。
災害への備えは差別化にも
災害への備えは各自が行うべきものですが、若い単身者だとそうもいきません。
特に、過去に災害があった地域に実家のある入居者さんやその親御さんは防災意識も高いので、オーナー様が率先して災害対策をしている賃貸住宅は安心感にもつながると思います。
ご自宅の近くに単身者向けの賃貸住宅をお持ちであれば、災害時にはオーナーと入居者という関係性を超えて、ご近所さんとして助け合う関係にもなりますので、ご自身のご家族の災害対策と併せて検討しておくと一石二鳥。備えあれば憂いなしです。