不動産活用ネットワークは、不動産オーナーのお困りごとに対して最短最適な解決策を提供するために、企業の垣根を越えて協力し合うことを目的とした不動産業のプロ集団です 。 Q&Aコーナーではオーナー様からのお悩みと専門家による解決方法をご説明いたします。
今回のご相談
お互いに『想い』を話し合わないまま、すれ違っていませんか?
この話、実は私と両親の話です。私の実家のことをお話しますと家族構成は、サラリーマンの父・パート勤務の母・私・弟の4人です。資産という資産は、おそらく実家と預貯金と保険金ではなかろうかと思われます。「なかろうか」とあえて書きましたのは、実家の整理の話をして怒られてから、聞くタイミングを失ってしまったという状況だからです。ちなみに私も弟も結婚しており、持ち家を所有しているため、実家を使用する可能性はありません。
このような家族構成や資産構成は一般的な内容だと思われます。また所有している不動産を子どもに残したいと考えている両親の『想い』がある一方、私のようにその『想い』を知らない子どもたちは多いと思います。そのためこの記事を読んでくださっている方すべてに当てはまるような内容かもしれません。
『想い』は大事です!しかし不動産として魅力的かどうかも大事です!
さまざまなお客様の話をお伺いしますと、「先祖代々引き継いできた土地だから」という理由や「不動産は手放すべきではない」などとお考えになられ、所有されている不動産が魅力的であるかどうかというよりも、『想い』だけで不動産を「残す」という選択をされる方が多いと感じております。一方、ご相続人となる方と所有している不動産についてきちんと話合われ、「残す」という選択をされる方は少ないと感じております。もちろん『想い』も大切だと思いますが、所有されている不動産があまり魅力的ではなかったら、その不動産を引き継がれたお子様にとっては負担になりかねないと思いますので、今一度方向性をお話されることをお勧めいたします。
「残す」のか「整理する」のかを話し合いましょう!
どんな不動産でも手放さなくてはならないということではありません。私がこの記事を通じてお伝えしたいのは、所有している不動産の特徴を知って、話し合われ「残す」もしくは「整理する」という選択をされる必要があることを知っていただきたいのです。
『想い』を大事にして「残す」というご選択もあるでしょう。大切なのは、相続人となる方を交えてご家族で話合われ、結論を出されることです。ご家族皆様で出された結論であれば、将来のトラブルは少ないでしょうし、その不動産を使われなくなった場合や相続が発生した場合の対策がスムーズに進むと考えます。
「底地」や「築古賃貸物件」を残される場合は要注意です!
しかし『想い』だけで、「残す」という選択をしてはいけない不動産があります。底地(貸宅地)や建築してから年数が経過した賃貸物件(築古賃貸物件)です。
底地(貸宅地)は、借地権者様に土地を貸されている不動産のため、土地を所有していても有効活用ができません。また収益性や流動性に問題がある他、市場評価に対して相続税評価が著しく高く、相続上問題となることや維持・管理が煩雑であるなどの問題もあります。
また賃貸物件も長く所有され続けることによって、当然維持管理費等のコストがかかります。コストに見合うだけの収入が得られれば良いですが、将来に渡ってその収入が維持できるとは限りません。気が付いたら手遅れという状態にならないよう日々注意される必要があると思います。
そのため底地(貸宅地)や建築してから年数が経過した賃貸物件を所有されているのであれば、不動産として魅力的なのかどうかを検討し、次の世代のことを考えた上で「残す」もしくは「整理する」という選択をして頂きたいです。
不動産のことを話し合われることをお勧めします!
不動産が、資産の大半を占めているのが一般的です。そのため、その不動産をどうされるのかを決められないままですと、いずれ迎える相続について対策をしたことにはならないと考えます。しかし「相続」=「親の死」ですから、子どもとしてはあまり考えたくはありませんし、親の立場からすると子どもに心配かけたくないと考えられ、所有されている不動産の話をすること自体、気が進まない方も多いでしょう。しかし、いずれ訪れるときは訪れますし、親も子も後悔なきよう、話し合いをされてみてはいかがでしょうか。とはいえ、冒頭にも述べましたが当事者同士ですと感情が邪魔をしてしまい、思うように話がまとまらない場合も想定されます。そのため、不動産業者に依頼され相談役になってもらうことをお勧めいたします。
最後に私が実家の処分を考え始めたのは、私の母が家の階段から落ち、首の骨を折る全治6か月の大けがをしたことが発端でした。そのため、実家を整理して、階段の上り下りがない住まいに移ってもらいたいと今も考えておりますので、折を見てまた話をするつもりです。