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新型コロナウイルスの影響|一階店舗の空室が長期化するとどんな影響が出る?

不動産活用ネットワークは、不動産オーナーのお困りごとに対して最短最適な解決策を提供するために、企業の垣根を越えて協力し合うことを目的とした不動産業のプロ集団です 。 Q&Aコーナーではオーナー様からのお悩みと専門家による解決方法をご説明いたします。

今回のご相談

不動産オーナー
不動産オーナー
新型コロナウイルスの影響で入居していた飲食店が退去してしまいました。コロナウィルスはいつ終息するかわからない中で新たなテナントはすぐに見つかりそうにありません。このような状況なので仕方ないと思う反面、このままの状態で放置しておいて良いのか不安に思っています。
西村友宏
西村友宏
新型コロナウィルスにより特に飲食店などの退去はこれからも進むのは間違いありませんが、この空室を放置しておくとマンション全体にも影響が出てきます。具体的には2階以上の上層階が住居になっているマンションの場合、この1階の店舗の存在が募集に大きな影響を与えている事を証明している事例があるからです。

1階店舗がマンション全体の募集に大きな影響を与えた事例

あるマンションの事例をご紹介します。こちらは当時築25年、1階はテナント、2階以上は総戸数16戸のワンルームマンションでした。学生などのニーズがある地域でしたが、近隣に競合するマンションも多く募集に苦戦している状況でした。また1階に入っていた飲食店のテナントも退去して空室になっていました。私はこちらのマンションオーナーから空室になっている1階テナントでオーナーご自身がカフェを始めたいという事で店舗の外装・看板プロデュースのご相談をいただきました。

1階店舗の改装によって1年後には満室に!

1階テナントには元々飲食店が入っていたため、内装はほとんど変えずに外装と看板だけをリニューアルしました。以前の飲食店テナントよりも、もっとカフェらしく全体をリニューアルした結果、こちらのカフェは順調にお客様が増えていきました。しかしそれよりもオーナーにとってもっと大きな成果となったのは、課題であったマンションの空室がどんどん埋まり始めたことです。実は当時16戸中12個が空室(入居率25%)の状況でしたが、若い女性の入居が次々に決まり1年後には満室になりました。

1階店舗が変わればマンション全体のイメージも変える

募集という観点からこのケースを解説したいと思います。このマンションの場合、賃貸マンションを探している人がマンションを内見する際に最初に目にするものは1階の店舗になります。この1階テナントにどんな業種の店舗が入っているのかによってマンションのイメージもガラッと変わってしまいます。弊社ではマンションの第一印象が募集に大きな影響を与えることを多くの事例から証明してきましたが、このケースでは「1階に可愛いカフェがある」という第一印象によって、若い女性から支持されて、結果として満室に繋がりました。

1階テナントが空室のままだと第一印象が悪い

このマンションの事例から1階テナントの影響が絶大だということはおわかりいただけたかと思います。エントランスに入る前に店舗がはっきり視界に入ってくるこのようなタイプの賃貸マンションをお持ちのオーナー様は特に1階のテナントの外観に注意をしていただきたいと思います。例えば1階にマンションのコンセプトに合わない店舗が入ると、特に外観デザインによってはマイナスの影響を受けてしまいます。また空室の状態というのも確実にマイナスイメージを与えてしまいます。”テナント募集”という文字がずっと以前から出てそうな見た目になっている場合「人気がない」というイメージをユーザーに与えてしまい、そのままマンションそのものの印象にも繋がってしまうのです。

さまざまな可能性を模索して店舗の誘致に力を入れる

新型コロナウイルスの影響でこれからさらにテナントの空室は目立ってくるかもしれません。しかし一方でこれまでなら出せなかった立地に店舗を出せるという事で実力のある店舗は積極的に物件を探しているのも事実です。この状況を放置しておくよりも、今はしっかり行動をする時ではないでしょうか。マンションの立地を考え、それに適した店舗をイメージして、積極的に店舗誘致に力を入れる。この行動はマンションの価値を上げることになります。

 

 

ABOUT ME
西村友宏
西村友宏
株式会社サインズスクエア代表取締役。職人である父親の背を見て育った経験から、専門職の人達が安心して活躍できる社会を創りたいと考え銀行員から脱サラして同社設立。「デザインで全ての価値を活躍の舞台へ」をスローガンにデザインと看板職人技術を融合した独自ノウハウによる店舗集客やマンション空室対策で高い実績をあげている。