加盟社リレー寄稿Q&A

ファミリー物件を「ルームシェア可」として貸し出すときのメリットは何でしょうか?

不動産活用ネットワークは、不動産オーナーのお困りごとに対して最短最適な解決策を提供するために、企業の垣根を越えて協力し合うことを目的とした不動産業のプロ集団です 。 Q&Aコーナーではオーナー様からのお悩みと専門家による解決方法をご説明いたします。

今回のご相談

不動産オーナー
不動産オーナー
ハウスメイトマネジメントの伊部尚子さんが書かれた「ルームシェアは、気をつけることがたくさんあります!」という記事を読み、所有しているファミリー物件を「ルームシェア可」として貸し出すというアイディアを知りました。とても関心がありますが、留意すべき点も多く不安があります。「ルームシェア可」として貸し出すときのオーナー側のメリットは何か教えてください。
久保田大介
久保田大介
「ルームシェア可」として賃貸するとき、不安に思う気持ちはよくわかります。しかし、その不安を上回るメリットは十分あり、当社でも「ルームシェア可」どころか「ルームシェア大歓迎!」とうたって成功した事例が多数あります。今回はメリットを中心にルームシェアの魅力と、課題克服の考え方をお伝えします。

3DKの間取りのマンションは2LDKにリノベーションするオーナー様が多いです。

リノベーション工事をする前に検討を

ファミリー物件は広いLDKがあると人気なことから、3DKのお部屋は2LDKに、2DKのお部屋は1LDKにリノベーション工事をされる方が多いです。少子化の流れで部屋数が多いほうがいいという時代は終わっているように思うので、そのリノベーションは決して間違いだとは思いませんが、発注する前にちょっと考えてみてほしいコンセプトがあります。それは「ルームシェア可」物件として賃貸市場に送り出すことです。
「友人や兄弟、趣味や仕事の仲間などとルームシェアをして暮らしたい」というニーズは非常に強いものがあります。最近ではシェアハウスで共同生活を送ったことで「他人と暮らす」ということに慣れた方が増えてきて、ハウス内で親しくなった人と一緒にルームシェアをしたい!という方も増えています。
しかし需要の大きさに比べ、供給、すなわちルームシェアを認めてくれる物件は少なく、ここに需給ギャップが生じています。ルームシェアならば2DKのお部屋は2DKのままで貸し出すことができるのですから、これはチャンスだと思いませんか?

全室に収納もあり、ルームシェアに向く間取りのお部屋です。

オーナー様が「ルームシェア可」を嫌がる理由

「ルームシェア可」物件は需給ギャップがあって大きなビジネスチャンスであるのに、多くのオーナー様、管理会社がなかなか取り組もうとしません。その理由は何なのでしょうか?
私は以前、お会いしたオーナー様たちに「なぜルームシェアは嫌なのですか?」と聞いて回ったことがあります。その理由は主に3つに分類されました。

  1. ルームシェアは入居者が騒いでうるさくなる(友だち同士で毎晩酒盛りをするのではないか?)
  2. ルームシェアは家賃滞納が多い(誰かひとりでも自分の分担家賃を払わないだけで未収になるのではないか?)
  3. ルームシェアはすぐに契約解除される(喧嘩別れしたり、ひとりが転勤や結婚するだけで解約となるのではないか?)

この3点が原因でルームシェアに取り組む方が少なくなってしまっているようなのですが、これは少し前の時代の考え方ではないかと私は思っています。

新しい法律やサービスを使いこなせば課題は克服できる

なぜなら、オーナー様たちが挙げられた3つの課題は、新しい法律やサービスを使いこなせばかなり簡単に解決できると思っているからです。
まずですが、定期借家契約を使えばさほど心配が要らなくなります。現にシェアハウスは定期借家契約を使い、トラブルを引き起こす入居者さんはすぐに解約できるようにしています。はじめは3ヵ月、次に6ヵ月、1年と少しずつ契約期間を延ばしていくのがコツのようです。
は保証会社を利用すれば、オーナー自身は迷惑を被ることがなくなります。
については、当社はシェアメイトの入れ替わりを認めることで、この課題を克服しています。解約の連絡があり、それが「シェアメイトが転勤するため」などの理由ならば、「代わりのシェアメイトを見つけてみませんか?」と言って2週間程度時間をさしあげています。「類は友を呼ぶ」と言いますが、ルームシェアをする人の友人にはルームシェア好きが多いようで、かなりの確率で新しいシェアメイトを探してきます。その方の入居審査をきちんと行い、問題がなければ入れ替わりを認めています。

新規募集時、お家賃をUPしやすい

3DKを2LDKに、2DKを1LDKにしなくても、「ルームシェア可」を前面に出して入居者募集活動を行えば、リノベーション工事代が浮きますし、競争力があるから入居者も決まりやすい。これだけでも大きなメリットがあると言えますが、もう1つ、隠れた利点があります。それは新規募集時にお家賃をUPしやすいということです。
たとえば、あるエリアで3DKの物件の相場家賃は120,000円だったとします。これをシェアメイト3人で割れば一人40,000円となります。この家賃を126,000円にしてみたらどうでしょう? ファミリー物件のままであれば6,000円のUPはなかなか厳しいですが、ルームシェアだと一人あたりのUP分は2,000円なので、比較的受け入れていただきやすいです。まして、ほかでルームシェアを断られまくっていたら、6,000円高くても構わないということになりやすいです。あまり欲張ってもいけませんが、リノベーション工事代がかからず、相場より家賃を気持ちUPできるのは、不動産投資という観点から大きなメリットがあると言えないでしょうか?

将来の夢を共有する方たち同士のルームシェアもあります。

「ルームシェア歓迎!」も立派なンセプトです

当社は賃貸物件にコンセプトを設け、顧客ターゲットを明確にするコンサルティング事業を行っていますが、「ルームシェア歓迎!」というのも立派なコンセプトのひとつです。しかも比較的取り組みやすいコンセプトですから、是非多くのオーナー様にトライしていただきたいと思います。
もちろんノーリスクということはなく、トラブルはそれなりに発生しますから、ハウスメイトマネジメント・伊部尚子さんの記事などを参考に、備えをできる限り万全にして臨んでください。
またルームシェア物件を探している方たちに、募集情報を届けるためには、他のコンセプト賃貸物件同様、少々工夫が必要です。こうした物件のリーシングを得手とする不動産会社を味方につけることが成功の早道だと思いますので、この点も意識してみてください。多くのオーナー様の成功を願っています。

 

 

ABOUT ME
久保田大介
久保田大介
合同会社コンセプトエール・代表社員。有限会社PM工房社・代表取締役。 個性的なコンセプトを持った賃貸物件の新築やリノベーションのコンサルティングを柱に事業を展開している。 2018年1月よりウェブマガジン『ワクワク賃貸®』を配信している。