遺言書の作成は考えていますか?遺言の活用方法をご紹介

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遺言書を作成する方が増えているという事実をご存知でしょうか。遺言の種類として公証人が作成する「公正証書遺言」という遺言がありますが、その作成件数が平成21年(2009年)は年間77,878件であったのに対し平成30年(2018年)には年間110,471件と10年間で約1.4倍に増加しています(日本公証人連合会HPより)。遺産相続などをめぐって親族同士が争う「争族トラブル」を避け、円満に財産を相続させたいという被相続人の想いがこのような数字に表れているのでしょう。

本記事では、円満に財産を相続させたいという不動産オーナーの方へ遺言の活用方法をご紹介いたします。

そもそも遺言とは?

死後、法律効果を発生させることを目的として、本人の独立の意思に基づき、法律に定められた方式に従って行われる意思表示をいいます。

遺言書が無いとどうなる?

遺言書があれば遺言による遺産分割となりますが、遺言書が無い場合、遺産分割は遺産分割協議による分割となります。そして仮に遺産分割協議が不成立となった場合は審判(裁判所)による分割となります。これは「争族のはじまり」と言われているため、このような事態を避けるためにも遺言は有効なのです。

このような方には遺言書の作成をお勧めしています

それでは、遺言はどのような方が書くべきなのでしょうか。

  • 相続人に認知症の方がいる
  • 2回以上結婚している
  • 相続人以外の方(長男の嫁など)に財産をあげたい
  • 家業、事業を行っている
  • 財団法人に寄付したい
  • 音信普通の相続人がいる

上記のいずれかに該当する方には遺言書の作成をお勧めします。

遺言でできることって?

遺言でできる事は実際どのようなものなのでしょうか。下記に例を挙げました。

1.相続に関すること

  • 法定相続割合とは異なる割合の指定
  • 法定相続人の廃除、またはその取消し
  • 遺産分割方法の指定

2.身分に関すること

  • 子の認知
  • 未成年後見人および未成年後見監督人の指定

3.財産処分に関すること

  • 法定相続人以外の者への遺贈
     ※特定の方に財産を与える事を遺贈といいます。遺贈には”現金〇百万”などと指定する「特定遺贈」と、”遺産総額の一割”などと指定する「包括遺贈」の方法があります。
  • 社会に役立たせるための寄付
  • 信託の設定

4.その他

  • 遺言執行者の指定
     相続手続きを円滑に、しかも確実に行うために、遺言者に遺言執行者を指定することができます。
  • 遺言書に遺言者の相続人等への「想い」を記す事ができる
     (例:「〇〇には以前、住宅資金として〇百万円を渡しているので今回は理解してください。」「みんな仲良く、幸せに暮らしてください。」等)

遺言の種類は?

遺言の種類は主に下記2つが御座います。メリット、デメリットも合わせてご紹介します。

1.自筆証書遺言
  概要:遺言者が遺言の全文、日付・氏名を自書押印して作成する方法

■メリット

  • すぐに一人で作れる
  • 費用がかからない
  • 内容及び存在を隠せる

■デメリット

  • 自筆である事が必須
  • 紛失、偽造の危険あり
  • 要件不備の危険あり
  • 家庭裁判所の検認が必要

2.公正証書遺言
  概要:公証役場にて口頭で内容を説明して、公証人に遺言を作成・保管してもらう方法

■メリット

  • 要件不備の不安がない
  • 紛失、偽造の危険がない
  • 家庭裁判所の検認が不要
  • 公証人と証人2名以上の立会いの下、被相続人(遺言者)の意思を確認しながら遺言書を作成するため、遺言の効力を巡っての争いが起きる可能性が極めて低い

■デメリット

  • 公証人の費用がかかる
  • 公証人及び証人(2名)が必要
  • 公証人と証人に内容を知られてしまう

以上のそれぞれのメリット、デメリットを総合的に勘案し、「公正証書遺言」を作成されることをおすすめいたします。

遺言を活用した解決事例は?

今まで遺言についてご説明してきましたが、実際どのような場合に遺言は役立つのでしょうか。事例を2つ見ていきましょう。

【事例①長男の嫁に財産(不動産等)をあげたいケース】

<現在の状況>
甲(被相続人)の家に甲と長男の嫁が同居。遠方には二男夫婦(数年顔を見せていない)が住んでいる

<問題点>
長男の嫁は甲の法定相続人でないため、このままでは甲の不動産(家、土地)は二男夫婦に相続され、長男の嫁は家を出なければいけなくなってしまう。

<遺言による解決方法>
遺言により「長男の嫁に不動産(家、土地)を与える」と記載し、遺贈する。
※遺留分(相続人に法律上保障された一定の割合の相続財産)の問題もあるため、長男の嫁と養子縁組をしたうえで遺言を残せば万全となります。

これにより・・
⇒同居して面倒を見てくれた長男の嫁に財産である不動産(家、土地)を残す事ができます。
(注)相続人以外の親族(上記事例の長男の嫁)が、被相続人の療養看護等を行った場合、一定の要件のもとで、相続人に対して金銭の支払を請求することができる「特別寄与料の取扱いの明確化」が平成31年(令和元年)度の税制改正により定められました(令和元年7月1日以後に相続又は遺贈により取得する財産に係る相続税について適用)。

【事例②相続財産が不動産(事業用資産で価額は1億円)と現預金(1億円)の場合】

<現在の状況>
相続人は長男と長女の二人のみ。被相続人乙は自筆証書遺言に「長男に不動産、長女に現預金を相続させる」と記載していた

<問題点>
事業用資産は売却ができないため、長男は相続税が払えない。よって長男は長女に遺産分割協議をやり直して欲しいと働きかけるが、長女が応じない場合は争族トラブルとなる可能性がある。

<遺言による解決方法>
自筆証書遺言を破棄し、公正証書遺言を書く。公正証書遺言は経験豊富な公証人の下で作成されるため、適正な財産配分が可能となる。

これにより・・
⇒長男、長女共に納得のいく相続が可能となり、争族トラブルを回避!

最後に

以上のように遺言を活用することにより争族トラブルが起こる事なく円満に不動産等の財産を相続させることが可能となります。
また、遺言はメリットが大きい「公正証書遺言」をおすすめします。
是非この機会に遺言を書く事を検討してみてください!


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